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更新日: 2021/07/06

モッコウバラ

モッコウバラの写真

小学校6年生の時まで存在していた猫額大の庭に、バラを植えていた。深紅と黄色とピンクの3本だった記憶がある。どれも1輪咲きで大輪の花を毎年咲かせてくれ、特に黄色のバラは香りが素晴らしかった。私の花好き、植物好きはそんな環境が影響しているのかも知れない。その庭に3階建てのコンクリートの箱が出来たのが中学1年生のとき。庭に植えてあった植物の殆どは処分するか何かしたようだったが、バラだけは素焼きの尺鉢(直径30㎝の大型植木鉢)に掘り上げて屋上に運び上げられた。最初3つだった鉢が瞬く間に増えてゆき、数年後には屋上の半分がバラと盆栽の鉢で埋まってしまった。当時、私にとってバラのイメージは大輪のものだった。

その頃、近所につるバラをぐるりと植え回したお宅があって、色とりどりのつるバラが実に美しかった。一輪咲きのバラを見慣れた目には珍しく、また羨ましくもあり、いつしかつるバラのある家に憧れるようになったものだ。

それから十数年、植物とは縁のない生活環境になっていたが、昨年から花の写真を撮るようになり、再び植物と関わる時間が増えてきた。時折、ご近所でお花を丹精しているお宅を見かけると、声をかけて写真を撮らせて頂く。今年もバラの時期。あるお宅で黄色いつるバラ(モッコウバラ)が見事に咲いていた。丁度居合わせたそのお宅の奥様にお断りして撮らせて貰う。

1回シャッターを切った時、数本のモッコウバラの枝を手にした奥様がすぃと寄ってこられた。「ハイ、これどうぞ」と。わざわざ斬って下さったのだ。さぁこれから撮らせてもらおう、という矢先のこと、左手のバラと右手に構えたカメラ。左手にバラの枝を持ったままでは撮影出来ない。と言って辺りに置くのも奥様の手前憚られ、丹精のバラを頂いたことへの有り難さと、撮影を続けられなくなった残念さとが相まった気持ちのまま、1枚撮っただけで撮影を断念して帰宅した。ガラスの花瓶にさした黄色いモッコウバラを玄関に飾る頃には残念さは雲散霧消、感謝の気持ちだけが残っていた。

初稿: 2021/06/01

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