Amix Soundworksのトップページへ移動

更新日: 2021/07/25

菌類+藻類=地衣類

菌類+藻類=地衣類の写真

子どもの頃、キノコを見るのが好きだった。猫額大の庭で、普段は陽のあまり当たらない場所。物置と隣家の間など。そんな場所で茶色や白などの傘を広げたキノコや、地面に張り付くように丸くて艶のある緑色の葉を広げたりしている苔を見つけたりすると、何故だかそれが秘密めいていて、見てはいけないものを見ているような気持ちになって、それがまた楽しかったりしたものだった。苔類やキノコ類は、多くはその姿を白日の元に晒すような晴れがましい場所には生育しない。そのためだろうか、彼らには気の毒かもしれないがどうしても秘密めいた、ほんの少しだけ不気味な部分も含めたアヤシゲな魅力を感じる。

一昨年から撮影ロケに行くようになって、野生のキノコを見かける機会に恵まれるようになった。傘が丸いもの、とんがったもの、盃みたいなもの、などなど。それらは殆ど図鑑でも見た覚えのないものばかりで、名前を調べるのに苦労する。キノコは個体差が大きいように思う。

そんな中、霧ケ峰で珍しいキノコを見かけた。全身緑色。表面は白っぽいツブツブで覆われていて、直径5ミリくらいの傘に当たる部分は真ん中が凹んで盃のような形をしていて傘の下には1センチほどの茎(?)がある。ちょうど高杯のような形なのだ。盃の縁に赤いポツポツを持ったものもある。

帰宅してから調べると、これはキノコ(菌類)ではなく、「地衣類」と呼ばれるものだった。「ジョウゴゴケ」と言う。名前に「コケ」と付いてはいるが分類上は苔ではなく「地衣類」なのだ。菌類に近い「藻類」で、菌類と共生している状態の「生物」のことだそうだ。苔は植物だが、菌類は植物ではない。そして植物にも菌類にも属さないのが藻類。その藻類と菌類が共生して一つの体を作っている状態が地衣類と言われるものの正体だ。何だかややこしい。苔でもキノコでも藻でもない。一つの体からは菌類と藻類が見つかるという二重人格的な生物に新たな興味を惹かれている。何だかよく分からないものに興味を覚えるのは、類は友を呼ぶ、ということなのだろう。

初稿: 2021/06/03

何れ菖蒲か杜若

近頃は諸事早め早めの循環に陥っているようで、早くもハナショウブやアヤメ、…

モッコウバラ

小学校6年生の時まで存在していた猫額大の庭に、バラを植えていた。深紅と黄…

人気の記事

光と陰

新型コロナウィルス感染症防止の為、緊急事態宣言が発令されて以降の撮影はあ…

年相応

5日ほど前の撮影ロケで膝を痛めた5日ほど前の撮影ロケで膝を痛めた。東京は…

菌類+藻類=地衣類

子どもの頃、キノコを見るのが好きだった。猫額大の庭で、普段は陽のあまり当…

大麦小麦二升五合

ある山奥の村に信心深いお婆さんがいました。畑仕事の合間に、村のお寺で偉い…