ブラックの浮かしロゴで、カジュアルなシックさを。
井上堯之66歳の折に企画された、全国66ヶ所ツアーを機にTシャツなどど共に制作されたキャップ。フロントには井上堯之のファーストアルバム「Watermind」のジャケットイメージのロゴが入っている。サイズはフリーで後部のベルクロで調整が可能になっており、また、バックにはシルバーで「Inoue Takayuki」と刺繍が入っている。<br> このキャップは、井上本人も普段からよく使用していて、ある時、街中で「失礼ですが、井上堯之さんですか?」と声を掛けられた時、「ハイ、そうです」と答えて、おもむろにキャップを取って、バックの刺繍を見せていた。〝井上堯之が本人証明をした〟キャップでもある。
キャップのフロントには井上堯之のファーストアルバム「Watermind」のジャケットイメージのロゴが入っています。ファンの方には言わずと知れた〝筋肉のある骨〟の、あのロゴマークです。サイズはフリーで、後部のベルクロで調節が可能になっています。また、バックには、シルバーで「Inoue Takayuki」の刺繍が入っています。この刺繍文字が、思わぬところで思わぬ使われ方をしたことがあるのです。
このキャップの制作は、井上堯之66歳の年に企画された「Inoue ’66 全国ツアー」の時、と記憶しています。それから、このキャップは井上堯之のトレードマークにもなりました。本人にしてみれば、せめて自分が使っていれば、少しは売上に貢献できるかも、という気持ちもあったのでしょう。ライブの時に限らずにどこでも着用するようになりました。
ある時、街中で「失礼ですが、井上堯之さんですか?」と声を掛けられました。「ハイ、そうです」と答えて、おもむろにキャップを取り、バックの刺繍文字を見せていました。〝井上堯之が本人証明をした〟というキャップでもあるのですが、う〜ん、これは証明になるのでしょうか。本人の気持ちは分かるのですが・・・、はて?。
井上堯之は、さぞ沢山の帽子の類を所有していたのではないか?。それが大方の見方かと思います。ところが・・・です。意外にも少数だったのです。
数からいえば、このサイトで紹介しているオリジナル・ロゴ・キャップが一番です。なにしろ、〝売るほど〟あるのですから・・・。
そのほかにも、気に入りのキャップが色違いで4つ。白・黒・グレー・濃紺の4色でした。急逝された、井上の親友であるデザイナーの方がデザインされた物です。黒は遠方へのライブの帰路、立ち寄ったサービスエリアで紛失してしまいました。グレーはある方に差し上げています。最後まで手元に残ったのは、白と濃紺の2つになりました。
そして、頂き物の帽子が2つ程。引退後に近所で購入したキャップが一つ。それだけなのです。
勿論、それまでに着用した帽子、購入した帽子はもっとあった筈ですが、井上は「モノへの執着」が少ない人間ということもあり、それらの帽子はすでに誰かに差し上げてしまっていたのでしょう。
少ない帽子の種類ですが、普段でもライブでも最後まで使用していたのは、このページで紹介しているロゴ・キャップでした。そんな事も思って、このページをご覧頂くのもまた一興、かも知れませんね。
恐らく「Watermind」のLPが発売された頃か、或いは、その後のことなのか、はっきりしませんが、あのロゴのシールが存在していました。昔からのファンの方は、もしかしたら所有されている方もいらっしゃるかも知れません。
井上が独居を始めたばかりの頃のこと、ひと竿のロッカー箪笥を購入しました。なんの変哲も無い、普通のロッカー箪笥です。引越し荷物の中に、このロゴ・シールが何枚か残されていました。それに気付いた井上は、真新しいロッカー箪笥の扉に向かい、おもむろにシールを剥がして、ペタリと貼り付けたのです。
正直、驚きました。家具にシールを貼る、という行為は筆者からみれば、幼い子どものする行為に思えるのです。
しかし、違いました。ほぼ正方形のシールを扉の上部に45度傾けて貼り付けたのです。正方形が菱形になるように。これが結構、見栄えが良かったのです。
ロゴ・シールを貼られたロッカー箪笥は、その後、井上と共に居を移し、ついに最後の日を迎えるまで、井上の洋服を収納し続けることになりました。
このロッカー箪笥は、現在も保管しています。シールは今も45度の傾きを保って、扉の正面に張り付いています。